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足袋(たび)の歴史やメリットをわかりやすく解説!現代社会でも使いやすい足袋に似た履物も紹介
「足袋(たび)」というとお祭りや結婚式など、日常とは離れたものというイメージが強いかもしれません。また、作業をする人が履く「地下足袋(じかたび)」を考える人もいるでしょう。
しかし実は、足袋は日本の伝統的履物ですし、健康面でのメリットもあることから、近年注目が集まっています。このコラムでは、足袋がどんなものかを説明しつつ、現代での利用のされ方を解説します。
1.まず「足袋」について知ろう
この項目では、まず足袋の基本的な情報を紹介します。
1-1.そもそも足袋とは?
足袋がいつ頃から利用されるようになったかは明確ではありませんが、似た履物は平安時代には存在していたと言われています。室町時代には武家で利用される頻度が上がりましたし、戦国時代になると草履(ぞうり)より動きやすいことから戦(いくさ)の際に重宝された背景もあります。
このころまでは礼装の際は裸足とされる慣習が強かったようですが、次第にバリエーションが増えて黒や紺のほかに白い足袋も普及します。すると、武家の間で礼装の際に白足袋をつける風習が生まれ、これ以降現代にいたるまで和服で礼装の際は足袋をつけるようになっていきます。
一般庶民が足袋を利用するようになったのは明治以降で、素材や足首の留め方が良くなったことで履き心地も良くなるなど、足袋の機能は向上していきます。
大正に入ると、底面にゴムなどを張り付けて作業性を上げた地下足袋も登場します。重心移動しやすく動きやすいうえに、洗うことも容易なので、地下足袋は作業をする人の間で広く利用されました。
このような流れから、足袋は現在でも礼装時に使用されていますし、動きやすさから作業現場では今も利用する人がいるわけです。
1-2.足袋は健康に良い?
足袋は伝統的であることや活動しやすいといった特徴だけでなく、健康的なメリットも持っています。この項目では、足袋ならではの健康上の利点を紹介します。
足袋は、親指とそれ以外の指が分かれていることで、一般的な靴に比べると足先に力を入れやすいことを特徴としています。このため自然と足の筋肉が鍛えられ、偏平足になりにくいメリットがあります。偏平足は足の裏のアーチが無い状態で、外反母趾になりやすいことが知られています。
また、足袋はその形状から足の指の間にあるツボが刺激されるので、冷え性の予防も期待できます。
2.足袋のメリットを取り入れた靴がある?
前の項目では足袋のメリットを紹介しましたが、伝統的な足袋は履くシーンを選びますし、現代人が日常的に使用している洋服には合いません。そのため、「どれほど健康に良いと言われても、実際に履くシーンがほとんどない」と思う方も多いでしょう。
しかし、洋服にも合う足袋のような靴があれば、足袋のメリットを日常生活に取り入れることができます。ここからは、革靴に足袋のメリットを取り入れた新しい履物を紹介しましょう。
2-1.株式会社リフトが開発した「革のTABI(足袋)シューズ
浅草にある革靴製造の専門店・株式会社リフトは、「革を扱う技術や革靴の製法を応用しながら日本文化を活かしたものを作れないか?」という発想から「革のTABI(足袋)シューズ」を開発しています。
この商品は、上品な革靴のような外観を持ちながら、親指が独立して動かせる足袋のメリットを取り入れているので、足の指を自然に動かすことができ、歩くことの心地良さを最大限に引き出しています。また、マッケイ製法という革靴の伝統的製法を採用しているので非常に丈夫です。
当社株式会社リフトは、在庫を持たずに、注文を受けてから生産するこだわりを持っています。そのような方針なので、高い技術力を持つ職人がそろっていることを会社の特徴としています。今回紹介した「革のTABI(足袋)シューズ」は、「変わったものを作りたいという思い付き重視のアイデア商品」ではありません。1足づつ手作業で生産する事は他の革靴と同様ですし、細かい部分まで配慮が行き届いていることは、手に取ってみていただければどなたにも瞬時に伝わることでしょう。
3.まとめ
日本伝統の履物である「足袋」について、その歴史や健康上のメリットを解説しました。足袋は動きやすいうえに健康効果も豊富な優れた履物ですが、洋服中心の現代社会では利用するシーンが少ない状態になっています。
しかし、革靴製造販売の専門店LIFTは、足袋が本来持つ魅力に現代の製造技術を加えて、「革のTABI(足袋)シューズ」を開発しました。「革のTABI(足袋)シューズ」にはスリッポンタイプとブーツタイプがあるので、お好みの形状を選んでいただくことができますし、使いやすいカラーでご用意しました。
また、タイプによって素材も様々、ソールの素材を複数使用することで、履き心地の良さもしっかりと追求しています。足袋の歩きやすさと健康効果を活かしつつ、洋服にも合う履物に興味がある方は、ぜひ「革のTABI(足袋)シューズ」をお試しください。
サンダルはいつから履くべき?サンダルに適した時期、おすすめの履きこなしをわかりやすく解説
1.サンダルはいつから履くべきかを季節ごとに解説
1-1.冬が終わればサンダルのシーズン到来!
1-2.夏こそサンダルのトップシーズン!
1-3.少し寒くなってくる秋でもサンダルは活躍する!
1-4.サンダルに向かない季節はある?
2.まとめ
革靴を最初に履くとき痛いのはなぜ?痛みが出る理由と対策をわかりやすく解説!
新品の革靴を最初に履いたときに、足が痛くなった経験がある方は少なくないでしょう。特別な日に新しい靴を履くというのはワクワクすることですが、新しい靴を履いたことで足が痛くなるとせっかくの楽しみが台無しになってしまうこともあります。
そこでこのコラムでは、新しい革靴をはくとなぜ痛いのかを解説したうえで、痛くならない方法も紹介していきます。
1.新しい革靴はなぜ痛い?
この項目では、そもそもなぜ革靴は最初に履くとき痛いのかを解説します。
1-1.サイズが合っていない靴を履くと痛みが起きる!
靴はサイズが合っていないと靴擦れなどの痛みが起きます。例えば靴の中でかかとが動くほど大きい場合は、摩擦によってかかとに痛みが生じることがあります。また、靴のサイズが小さいと足が圧迫されて痛みが起きます。このため、しっかりとフィットする靴を買うことは非常に重要です。
1-2.サイズは合っていても革が硬いことで痛みがでる!
革靴は履いているうちになじんできますが、買った直後にはやや硬い特徴があります。そのためサイズとしては合っているのに、例えばヒールカップ(かかとを包んでいる部位)の頂点や、「タン」と呼ばれる足首の前側に接する先端部分がこすれて痛むことがあります。
これを踏まえて、次の項目では革靴を履いても痛くないように足になじみやすくする方法を記載します。
2.足が痛くならないための対策を紹介!
この項目では、革靴を履いても足が痛くならないための方法を紹介します。
2-1.いきなり長時間履くことを避け、少しずつ足になじませる!
革は使っているうちに適度に柔らかくなりますが、新品の状態ではやや硬いため、足が痛くなることがあります。そのため新品の革靴で長時間外出することは避け、例えば近所を30分程度散歩するなどから始めて、少しずつ履く時間を伸ばしていくことをおすすめします。
2-2.シューズフィッターで革靴を伸ばす!
革靴を伸ばしたり、形状をキープしたりするための道具として、シューズフィッター(シューズキーパーとも言う)を使う手もあります。ネジで調整できるシューズフィッターを使うと、靴を伸ばす方向に力をかけて1日程度放置するだけで靴が少し伸びて履きやすくなります。商品によって靴の長手方向に伸ばすタイプと、足の幅法方向も伸ばせるタイプがあります。
価格的には1,000円程度から販売されており、一度買えば長く使用できますから、革靴を好んで履く人なら持っておくことをおすすめします。
2-3.革用のクリームやオイルで革靴を伸ばす!
革専用のクリームやオイルを使うと、革が油分を吸って伸びることで足にフィットしやすくなりますから、履きながら足に合うように伸ばしていけます。
ただし、オイルがしみのようになることもあるので、使用するときには目立たない所で試してから塗ることをおすすめします。また、前の項目で書いたシューズフィッターと併用すれば効率的に革を伸ばすことができます。
2-4.そもそもしっかりフィットする靴を買う!
痛みが起こりにくくするには、そもそもしっかりフィットする靴を購入することが重要です。その意味ではオーダーの靴を作ることが有効ですが、オーダー専門の靴屋さんに行って採寸してもらうのは、ちょっと敷居が高いですし、近くにオーダーできる靴屋さんが無いと実現できません。
そのため、既製品を買われる方が多いかと思いますが、その際に重要となるのが適正なサイズを選ぶことです。「通販ではサイズが合わないのでは?」と考える方も多いでしょうが、ホームページ内で足のサイズの測り方もしっかりガイドしていますのでご安心ください。
LIFTは「衣服のような靴であれ」というキャッチフレーズを掲げており、注文を受けてから材料を手配して、1足ずつ作るこだわりの受注生産を行っています。
※LIFTの革靴でも、革自体が最初は硬めであることは変わりませんので、様子を見ながら少しずつ履く時間を延ばすこと、オイルやクリーム、シューズフィッターなどで馴染ませることをおすすめします。
3.まとめ
革靴を最初に履くとき痛いのはなぜなのかを解説したうえで、痛くならない方法を紹介しました。
要点をまとめると、革は購入時点では少し硬いので、オイルやクリームを使って伸ばしながら足になじませていくことが重要です。また、最初からサイズが合っていない靴を買った場合、靴の中で足が動くことで靴擦れが起きますから、しっかりとフィットする靴を買うことが何よりも重要です。
革靴製造販売の専門店LIFTは、オーダーを受けてから職人が上質な革を使用して1足ずつ丁寧に革靴を作る手法を取り、履き心地の良さを追求した革靴を販売しております。またLIFTは、大量生産や在庫をしない方法を取っているので、高品質な革靴を適正価格で提供できることも特徴としています。品質の高い革靴をお求めなら、ぜひLIFTにお任せください!
革靴って洗えるの?洗えるかどうかの判断や靴を傷めない洗い方を解説!
1.洗える革靴と洗えない革靴の違いは?
1-1.まず家庭で洗えない素材を知っておこう
1-2.洗う前に色落ちしないか確認しよう!
1-3.洗い過ぎは厳禁!
2.革靴の洗い方を知ろう!
2-1.用意するもの
- 革靴専用洗剤かサドルソープ、またはボディソープ
- 柔らかいスポンジ(台所スポンジで可)
- 不要な歯ブラシ
- 靴を浸せるバケツや大きめの洗面器
- 40℃程度のお湯、3~5リットル程度
- 新聞紙等、吸湿性の高い紙
新聞紙が無い家庭は多いと思うので、キッチンペーパーでも構いません。 - 柔らかい布
- 靴専用クリーム
- 木製のシューキーパーがあれば尚良い
2-2.洗う手順
- まず、ひもがある靴ならひもを外す。
- 歯ブラシで目立つ汚れやほこりを取る(革を傷つけないように注意)。
- バケツか洗面器に40℃前後のお湯を3~5リットル程度入れる。
- 上記に靴を浸し、水分を均等に含ませる。ただし長時間つけると革が劣化するので、水分を含んだらいったん上げる。
- 革靴専用洗剤かサドルソープと上記のお湯、スポンジで優しく洗う。ボディソープを使う場合は上記のお湯に5%程度を溶かしてスポンジで洗う。
- 泡を流す程度にさっとすすぐ(革専用洗剤には保湿剤が含まれているのですすぎ過ぎない方が良い)。
- 乾いた布で水分を拭きとる。
- 新聞紙など吸湿性の高い紙を丸めて詰め、型崩れを防ぎながら乾燥させる(つま先やかかとまでしっかり詰めるイメージで)。型崩れを徹底して防ぎたい人は木製のシューキーパー(2,000円程度から入手可能)を使うことを推奨。
- 風通しが良い日陰で、靴を立てた状態でしっかり乾かす。季節によるが2~3日程度が目安。吸湿用の紙は半日~1日に1回は交換する。
3.まとめ
お知らせ
革靴って何足持っているべき?ローテーションして履くべき理由やおすすめの履き方を解説!
1.革靴を複数持つべき理由は?
1-1.足から出る汗で臭いが発生する
1-2.カビが発生しやすくなる
2.結局革靴は何足持っているべき?
2-1.できれば4足以上持つことが望ましい
2-2.いきなり4足は無理でも2足は確保しよう
2-3.LIFTの革靴紹介
3.まとめ
革靴の選び方で迷っている人はチェック!シーンに応じた履きこなしを解説
1. 種類ごとの特徴と使用場面を解説
1-1. ストレートチップ
1-2. プレーントゥ
1-3. ホールカット
1-4. ウイングチップ
1-5. モンクストラップ
1-6. ローファー
1-7. サイドエラスティック
2. シーン別の革靴の選び方
2-1. ビジネスシーンに合う革靴
2-2. カジュアルなシーンに合う革靴
2-3. フォーマルなシーンに合う革靴
3. まとめ
雪駄と草履は何が違う?歴史や素材、用途の違いをわかりやすく解説!
近年、健康に良いことや手軽なこと、オシャレなものが増えたことなどから、草履(ぞうり)や雪駄(せった)などの、いわゆる「和の履物」が見直されてきています。しかし、雪駄と草履は何が違うのか?と聞かれると、実は明確に答えられる人は多くはありません。
そこでこのコラムでは、雪駄と草履の違いを徹底追及し、それぞれの歴史や用途、素材について詳しく解説します。
1. まず雪駄と草履の歴史を知ろう!
この項目では、まず草履と雪駄の歴史について解説します。
1-1. 草履の歴史
草履(ぞうり)は平安時代(西暦794年頃~1190年頃)の中期に、それまで主流だった草鞋(わらじ)を改良して作られたと言われています。
ちなみに草鞋自体も平安時代に作られたものと言われていますが、そのもととなったのは奈良時代(西暦710年頃~780年頃)に中国から伝来した藁(わら)の履物です。草鞋はかかとを固定する機能がありましたが、草履では鼻緒によって固定するように作られています。
草履は昭和初期までは日本の代表的な履物でしたし、現代でも女性が着物を着るときは草履を履くのが一般的です。そのため草履には1000年程度の長い歴史があると言えるでしょう。
1-2. 雪駄の歴史
雪駄の歴史にはいろいろ説がありますが、茶道で有名な千利休(せんのりきゅう)が、織田信長に仕えていた時期に考案したと言われています。千利休は西暦1522~1591年に生きた人物ですが、織田信長は1582年に亡くなったとされているので、雪駄には400年以上の歴史があると考えられます。
雪駄が生まれた経緯としては、下駄の歯に雪が詰まって歩きにくいと考えたことから、草履の底面を改良して生まれたものという説があります。
その後江戸時代に、底面に金具がつけられて、現代で言う警察のような仕事をしていた人が履いたという説も知られています。底面が工夫されることで悪事を働いた人を追いかけやすいように工夫されたらしく、この改良は大岡越前の案を平賀源内が実用化したものという説もあります。
1-3. つまり雪駄は草履の一種!
前項に書いた千利休が本当に雪駄の発明者なのかは別としても、歴史的長さや形状を踏まえれば雪駄は草履の一種と考えて間違いありません。
一方、結婚式などで男性の第一礼装に合わせる履物は、白無地の鼻緒を持つ草履か雪駄とされています。そのため、草履も雪駄も和装の履物の「格」では最上位ですから、日本の伝統衣装ではどちらも高く評価されていることが伺えます。
2. 雪駄と草履は何が違う?
ここからは、今回のテーマである雪駄と草履の違いを解説していきましょう。
2-1. 従来は素材の違いが目立っていた!
雪駄の歴史を考えると、草履の裏面に革や金具を張り付けるなどして滑りにくくした経緯があります。そのため、伝統的な履物の分野では、底面の素材の違いが雪駄と草履を見分ける大きな差と考えて良いでしょう。
また、雪駄は底面に別の素材を使ったことで強度が保たれているためさほど厚く作りませんが、草履は強度を保つために厚く作られる傾向もあります。
2-2. 用途を男女で区別する見方もある!
旧来の雪駄と草履の違いを考えると、草履は男女ともに利用しますが、雪駄は男性が履くものというイメージが強いようです。結婚式など和服で正装する場合も女性は草履ですが、男性の場合草履と雪駄のどちらかとされています。
とはいえ、近年発売されているものでは雪駄もオシャレさを増しており、女性が履くための色やサイズを用意しているメーカーもあります。
そのため、慣習的には雪駄は男性の履物と見る傾向が強いですが、現代のカジュアルシーンでは、ノンバイナリーな履物になりつつあると考えて良いでしょう。
3. 近年はオシャレで履きやすい現代雪駄が人気!
ここまでは伝統的な履物としての雪駄と草履の違いを解説しました。しかし、近年はいろいろな素材やデザインが増え、雪駄も草履も伝統的なものばかりではなくなっています。
そのため、カジュアルシーンではすでに明確な違いはなく、商品としてどちらを名乗るかの違いと考えても良いでしょう。
4. まとめ
雪駄と草履の違いについて、誕生の歴史や用途、素材の違いなどを解説しました。
伝統的な履物としては素材が違うことや男女の違いがありますが、近年はその差はほとんどなくなっています。そのため、結婚式などの正装でなければ、自由に履きこなせることこそが雪駄や草履の特徴となっていると言っても良いでしょう。
革靴製造販売の専門店LIFTも、伝統的な雪駄の魅力を活かしつつ、現代の技術を加えた「サン駄(江戸前sandal)」を開発・販売しています。サン駄(江戸前sandal)はサイズが3SからXLまで6種類ありますから、それぞれの方にお好みのサイズを選んでいただくことができ、カラーも複数あるので女性にも多数利用されていることも大きな特徴です。
上質な牛革を使用していることや、肌触りの良い鼻緒を意識して作り上げているので履き心地の良さでも優れています。現代のカジュアルシーンで使える履きやすい雪駄を探すなら、LIFTのサン駄(江戸前sandal)がおすすめです。
着物の足元にはどんな履物を合わせるべき?和の履物の用途をわかりやすく解説
着物を着る際には、足元=履物にも、和の物を選ぶことが定番です。日本の伝統的な履物と言えば、草履や下駄、雪駄などがあります。
とはいえ、現代人は日常的に着物を着るわけではありませんから、どんな時にどの履物を履くべきかわからないという方も多いでしょう。そこで今回は、和の履物のTPOについて詳しく解説します。
1. フォーマルな着物に合う履物
この項目では、まずフォーマルな装いのときに選ぶべき履物について説明します。
1-1. 男性の礼装で選ぶべき履物
「礼装」とは冠婚葬祭に着用する着物のことで、男性の第一礼装と言えば、紋付の羽織袴(はおりはかま)です。この場合、選ぶべき履物は、雪駄か草履で、台(平らな部分の素材)は畳表であること、鼻緒は白無地であることなどが必須とされています。
1-2. 女性の礼装で選ぶべき履物
女性の場合の第一礼装は新婦であれば白無垢や打掛、新郎新婦の母親か仲人夫人なら黒留袖です。この場合、履物は金か銀の草履が基本と考えて良いでしょう。形状的にはかかとが高いものほどフォーマル度が高いとされています。
1-3. 準礼装で選ぶべき履物
準礼装は略礼装とも呼ばれる礼装に次ぐ服装です。結婚式に参加する場合、親族なら色留袖、ゲストとして一般参加する場合は訪問着がおすすめです。その他、色無地、江戸小紋、付け下げなども着用可です。また未婚女性なら振袖で参加することもできます。
準礼装の場合の足元は、エナメルや布地をベースとした草履を選びましょう。
2. カジュアルな着物の場合の履物は?
着物の種類で言うと、街着や普段着、浴衣などがカジュアルなものに分類されます。カジュアルなシーンであれば、結婚式のように「格」という考え方は不要なので、ある意味好きなものを履いて良いと考えて良いでしょう。そんな理由から、近年は着物にスニーカーやブーツを履く人も増えていますが、「やはり着物の足元には和の履物!」と思う方には、草履、下駄、雪駄がおすすめです。
ここでは改めてカジュアルなシーンで使える和の履物の特徴や用途を整理しましょう。
2-1. 草履ってどんな履物?
草履は平安時代中期に生まれたと言われています。それ以前からあった草鞋(わらじ)に改良を加えたもので、草鞋には足首に引っかけるひもがありますが、草履にはそれに相当する部分がありません。そのため、脱ぎやすく履きやすい反面、草鞋より長距離を歩くことには向いていません。
女性が着物を着る際、フォーマルであれば足元は草履というのが一般的ですが、近年はかわいらしさを追求したカジュアルな草履も増えているので、浴衣の足元にも合わせられます。そのため、色や素材を考慮すれば、草履自体はどのシーンでも使えると考えて良いでしょう。
2-2. 下駄ってどんな履物?
下駄は奈良時代にはすでにあったとされています。豪族など、権力者が履くものだったようですが、現代では結婚式などのフォーマルな場所では履きません。男女ともに着物の足元に合う履物ですが、カジュアルな場面で履いたほうが良いでしょう。
台の部分が木でできていることが多く、歯が2本あるイメージが強いかもしれませんが、歯がない下駄もあり、土踏まずの地面側の部位をくりぬいたものもあります。
2-3. 雪駄ってどんな履物?
千利休の発案でできたとされているので、それが正しければ安土桃山時代に作られたことになり、草履、下駄よりかなり新しい履物です。
雪駄は草履の一種で、元禄時代以降は裏面に金属を設置したものも多かったようです。白い鼻緒と畳表の雪駄は男性の第一礼装に合わせるものとされており、草履、下駄と比較すると最も格が高いシーンで利用されます。一方、夏祭りなどで浴衣の足元に合わせるにも向いているので、カジュアルなシーンにも利用されます。
つまり素材や色合いを踏まえれば、雪駄は着物の足元に合わせる際に最も応用範囲が広い履物と言うこともできるでしょう。
雪駄は現代の技術を取り入れて、履きやすさや歩きやすさが大きく改善されたものが販売されており、21世紀の今でもフォーマル、カジュアルの両面で活躍しています。
3. まとめ
着物の足元を演出する和の履物について、用途や特徴を解説しました。草履、下駄、雪駄にはぼんやりとしたイメージしかない方が多いと思いますが、今回の内容を読んでいただければ用途を整理できると思います。ぜひ、日本の伝統的な履物になじんでみてください。
革靴製造販売の専門店LIFTは、従来の雪駄の魅力に現代の製造技術を加えた「サン駄(江戸前sandal)」を販売しています。サン駄(江戸前sandal)は上質な牛革を使用して高級感を演出しつつ、鼻緒には肌触りの良い素材を使用することで履き心地の良さを追求しています。
結婚式の第一礼装などには向きませんが、浴衣の足元に合わせるなら、履きやすくて疲れず、オシャレさも強化されたサン駄(江戸前sandal)がおすすめです。和装だけでなく普段もオシャレに履け、伝統と現代の融合された革靴屋の作るサン駄で、お好みの新しいコーディネートをお楽しみください